床の間は、日本の伝統的な和室における象徴的な空間です。しかし、現代の住宅では「使い道がわからない」「有効的に活用できないか」などと感じる方も少なくないと思います。
現代のライフスタイルでは、床の間は活用しないままのデッドスペースになってしまうことが少なくありません。そのまま放置すれば、空間が無駄になるだけでなく、部屋全体がごちゃついて見える原因になることも…。
この記事では、リフォームを考えている方や収納スペース不足に悩む方に向けて、床の間の活用方法やリフォームの具体的なアイデアをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、床の間をリフォームする際の具体的な手順や活用例がわかり、家の空間を最大限に活用する方法を見つけられるはずです。収納力をアップさせつつ、おしゃれな空間を目指しましょう。
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リノベ秋田編集部
お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。
お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。
目次
床の間とは?
まず、床の間とはどんな場所を示すのでしょうか。ここでは、床の間についての基本についてご紹介します。
- 床の間の役割
- 床の間が現代の住宅で使われなくなった理由
床の間の役割
床の間(とこのま)は、和室の壁側に設けられた、主に掛け軸や花を飾るスペースです。元々は、客人を迎える際に心地よい空間を演出し、日本の伝統美を示すための場として重要な役割を果たしてきました。
また、床の間は一種の「品位の象徴」であり、室内の「神聖な空間」として家族や訪問者が尊重する場所でもあります。
床の間が現代の住宅で使われなくなった理由
現代では、ライフスタイルが大きく変わり、床の間のような装飾的な空間よりも実用的な収納スペースが求められる傾向にあります。実際、和室の代わりに洋室が増え、飾ることを目的とした空間は不要とされ、床の間の需要が減少しています。
こうした背景から、床の間を収納やワークスペースへとリフォーム・リノベーションするニーズが増えてきているのです。
床の間を収納スペースとして活用するメリット
ライフスタイルの多様性から、床の間の在り方や価値観についても変化していることがわかりました。ここでは、そんな床の間を収納スペースとして活用するメリットについてご紹介します。
- デッドスペースの有効活用
- 床の間を収納にする利便性と美観
デッドスペースの有効活用
床の間を収納スペースとして活用することで、限られた住宅の間取りを効率的に活用できます。床の間を実用的な収納に変えることで、日用品や季節用品、書類などの収納に便利なスペースが確保でき、物の整理がしやすくなります。
床の間を収納にする利便性と美観
床の間を収納化することで、インテリアの一部として整った見た目を保ちつつ、実用的な空間が増えます。例えば、棚や引き出しを取り付けることで、見た目もすっきりした収納が可能です。
和室の雰囲気を損なわず、自然な仕上がりになるよう工夫することで、収納としての利便性と床の間のもつ美観の両方を叶えることができます。
床の間収納に役立つ便利グッズ
比較的簡単かつ安価でできる床の間の収納化アイデアにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、床の間収納に役立つ便利グッズについてご紹介します。
- 収納棚
- カラーボックスや突っ張り棒
- その他の収納アイテム
収納棚
床の間のサイズに合わせて収納棚を設置することで、収納力が増し、整理整頓がしやすくなります。収納棚は効果的な収納を実現するための基本アイテムと言え、棚の高さや奥行きを調整できるものを選ぶと、物の出し入れがスムーズになり便利です。
カラーボックスや突っ張り棒
カラーボックスは床の間の中に仕切りを設けたいときに便利です。小物の整理がしやすくなるだけでなく、安価で入手できるため、コスト面でも優れています。
また、突っ張り棒を使えば、吊り下げ収納スペースが作れ、限られた空間を最大限に活用できます。こちらも安価で入手することができ、気軽に取り入れることができます。
その他の収納アイテム
ボックスやトレーといった収納アイテムもおすすめです。これらを使用することで、物の種類に応じて分けて収納でき、取り出しやすく整った見た目に仕上がります。透明なボックスを使用すれば中身が一目でわかり、探しやすい点もメリットです。
床の間を収納としてリフォームすることは可能?
簡単なアイテムを活用して収納スペースとして活用するほかに、床の間をリフォームして収納にすることはできるのでしょうか。ここでは、こうしたリフォームが可能かどうかについてご紹介します。
- 床の構造とリフォームの可否
- 床の間をリフォームするときの制約
床の間の構造とリフォームの可否
床の間は通常、和室の壁側に設けられた空間ですが、構造的にはリフォームしやすいケースが多いです。ただし、梁や床柱などが含まれることもあり、リフォーム前に内部構造を確認することが大切です。
安全性を確認しつつ、収納スペースへと活用できるよう工事を進めましょう。
床の間をリフォームするときの制約
築年数の経った建物の場合は、木材の強度や湿気対策なども考慮したうえで進めると安心です。また、和室の床の間は構造的な制約や和室全体のデザインに影響することがあるため、リフォームには注意が必要といえます。
床の間リフォームの事例紹介
床の間をリフォームするとき、どんな空間に作り替えることができるのでしょうか。ここでは、事例を一覧でご紹介します。
- 吊押入れ
- テレビ台
- ワークスペース・書斎
- クローゼット
- ディスプレイスペース
- トイレ
- ミニキッチン
- リフォーム後の効果
吊押入れ
床の間を吊押入れにリフォームする事例です。和室の天井から吊り下げる形で収納を作り、床を広く保ちながら収納力をアップさせるアイデアです。吊り収納は、掃除がしやすい点や、部屋を広く見せられるメリットがあります。
テレビ台
床の間をテレビ台として活用する例も増えています。床の間の奥行きを活かし、テレビや関連機器を収納できる一体型の棚を設置することで、リビングにぴったりの機能的なスペースになります。
ワークスペース・書斎
床の間をリフォームして小さなワークスペースや書斎に変える事例です。デスクと椅子を置けるスペースを確保し、集中できる環境を作ります。パソコンや書類を収納する棚を設けることで、整理整頓も容易になります。
クローゼット
床の間をクローゼットとしてリフォームするアイデアです。服や日用品を収納するスペースが増え、部屋全体がすっきりします。布団を収納するスペースが少ない場合にも、クローゼットにすると収納力が高まります。
ディスプレイスペース
床の間を趣味のディスプレイスペースに変えるリフォームです。コレクションや小物、花瓶を飾りつけるなど、インテリアの一部として床の間を使うことで、部屋にアクセントが加わり、魅力的な空間に変わります。
トイレ
トイレとして床の間をリフォームする事例もあります。配管工事が必要ですが、家族や来客時の利便性が向上します。寝室やリビングの近くなら、夜間や高齢者にとっても使いやすいでしょう。
ミニキッチン
また、ミニキッチンとして床の間をリフォームする事例もあります。こちらも配管工事が必要ですが、例えば、2階や客間での調理や飲み物の準備が可能となり、生活の動線が改善します。
リフォーム後の効果
これらのリフォームを行うことで、収納力が向上したり、暮らしに合わせた新たな空間が生まれたりします。また、部屋が広く見える効果や、インテリアに統一感が出るなど、見た目の変化も大きなメリットです。
特に、床の間は和室にあることが大半であるため、リフォームすることで和の雰囲気をそのまま生かした、和モダンな空間を実現することができます。
床の間を収納スペースに作り替える手順
いざ、床の間をリフォームして収納にするとき、どのような手順で行われるのでしょうか。ここでは、床の間を収納スペースに作り替える手順についてご紹介します。
- 現状の確認とプラン作成
- 解体と下地処理
- 収納設備の設置
- 最終仕上げと整頓
現状の確認とプラン作成
まずは床の間のサイズや状態を確認し、どのような収納にしたいかプランを立てます。例えば、棚を設置するのか、引き出しを組み込むのかなど、収納の種類によって工事内容も変わります。
さらに、収納する予定の物や、必要な収納量などを具体的にイメージをすることで理想のプランを作りましょう。
解体と下地処理
床の間の構造や既存の壁の状態に応じて、不要な部分を解体し、撤去します。必要に応じて壁や床を補強し、しっかりとした下地を作ることで、収納スペースが長持ちし、使いやすくなります。
収納設備の設置
棚やカラーボックスなどの収納設備を設置します。サイズや耐久性に注意しながら、普段の使い勝手を考慮して設置することがポイントです。また、設置場所によっては、調整可能なラックやスライド式の収納設備を選ぶと便利です。
最終仕上げと整頓
収納設備を設置したら、装飾や最終的な仕上げを行いましょう。壁紙を貼ったり、好みに合わせた装飾を施すことで、見た目もおしゃれで美しい空間に仕上がります。最後に収納する物を整理して配置し、使いやすく整えましょう。
リフォームする際の注意点
床の間を収納スペースとしてリフォームするとき、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。ここでは、リフォームする際の注意点についてご紹介します。
- DIYとプロの作業の分担
- 建物の構造や強度の確認
- 家族との事前相談
- 収納の使いやすさとメンテナンス
DIYとプロの作業の分担
プロの手を借りる部分と、自分でできる部分をしっかり分けておくことで、無駄なコストを抑えられます。小規模な収納ならDIYでも可能ですが、大がかりな工事や構造変更が必要な場合は、信頼できる業者に依頼するのが安全です。
建物の構造や強度の確認
重量物を置く場合や収納を吊るす場合には、耐荷重の確認が重要です。このように、床の間のリフォームでは構造的に問題が生じる場合もあります。必要に応じて、専門家に強度を確認してもらい、リフォーム後に不具合が起こらないようにしましょう。
家族との事前相談
リフォームの内容やデザインについて、家族と事前に相談しておくことも大切です。床の間の使い方に関して、家族が求める機能や見た目が一致しているかを確認し、後悔なく全員が満足できるリフォームにしましょう。
収納の使いやすさとメンテナンス
掃除やメンテナンスがしやすいように設計し、出し入れがスムーズに行えるようにすると、長く快適に利用できます。収納スペースを設置した後も、使いやすく保つための工夫が大切です。
また、季節ごとに整理整頓を行うなど、収納スペースの状態を保つ意識も重要です。
床の間リフォームの費用相場
床の間リフォームでは、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、事例に応じたリフォーム費用の相場、コストを抑えるコツについてご紹介します。
- 棚やカラーボックスの設置
- 作り付けの収納・クローゼットの設置
- トイレやミニキッチンへのリフォーム
- コストを抑えるコツ
棚やカラーボックスの設置
棚やカラーボックスなど簡単な収納設備を導入するだけなら約3万円から5万円で済むことが多いです。比較的小規模かつ安価に行える方法と言えます。
作り付けの収納・クローゼットの設置
作り付けの収納や、しっかりとしたクローゼットを設置する場合には10万円から20万円程度の予算が必要です。さらに、デスクスペースへのリフォームやワークスペース化を希望する場合、机や棚の設置も含めると10万円以上かかることが一般的です。
トイレやミニキッチンへのリフォーム
床の間をトイレやミニキッチンにリフォームするような大規模な工事は、配管や電気工事も必要なため、数十万円から100万円以上の予算が必要になることがあります。リフォームの目的に応じて、適切な予算を考えておくことが重要です。
コストを抑えるコツ
費用を抑えつつ質の高いリフォームを実現するためには、DIYを検討することも良い方法です。例えば、簡単な棚の設置や収納アイテムの購入などは、自分で行うことで工事費を大幅に削減できます。
また、リサイクルショップで収納用品を購入したり、ネットで安く揃えたりするのもおすすめです。コストを抑えるポイントは、プロに依頼する部分とDIYで行える部分を上手く分けることです。
床の間リフォームに関するよくある質問
床の間をリフォームする際、どのような質問が多いのでしょうか。ここでは、よくある質問についてご紹介します。
- 床の間のサイズはどのくらい?
- 風水に影響はある?
- 業者の選び方は?
床の間のサイズはどのくらい?
床の間のサイズは家によって異なりますが、一般的には幅が1〜2畳ほどです。リフォームの際は、このスペースがどれくらいの収納力や作業スペースになるか考慮する必要があります。施工業者にサイズを伝え、最適なプランを相談しましょう。
風水に影響はある?
床の間は神聖な場所とされ、リフォームによって運気に影響を与えるのではと心配される場合があります。このように、床の間リフォームで風水を気にする方も少なくありません。
風水的には、収納にする場合はきれいに整理し、清潔を保つことが大切とされています。物を溜め込まず、空間の流れを良くすることで運気を保ちやすくなります。
業者の選び方は?
信頼できる施工業者を見つけるためには、業者の評判や口コミを調べたり、複数の見積もりを取って比較することが重要です。こうすることで適切な価格と技術力を持った業者を見つけやすくなります。
また、リフォーム内容について具体的な要望を伝えることで、理想の仕上がりに近づけることが可能です。
まとめ
この記事では、床の間収納のリフォームについて解説してきました。床の間は現代の住まいでは使われにくくなっていますが、リフォームによって新たな価値を持たせることができます。特に、和の雰囲気を残しながら実用性を高められるのが床の間リフォームの魅力です。
収納スペースやワークスペース、ディスプレイスペースにすることで、限られた空間を有効に活用でき、利便性も向上します。DIYや収納アイテムを活用することで、費用を抑えながら理想の空間に近づけることができます。生活スタイルに合わせたリフォームで、より快適な住まいを実現しましょう。
今回は、「玄関」の収納をつくるリフォームについてご紹介しましたが、そのほかにも収納を増やせる場所や方法はたくさんあります。リノベ秋田のコラムでは、それらを詳しく紹介しておりますので、下記の関連記事もあわせて、チェックしてみてください。
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